旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

はじめての古美術鑑賞ー紙の装飾ー 根津美術館 2017.6

私は書道をやっていまして、そのお師匠から「根津美術館でとにかく素敵な展示をやってるからぜひいってらっしゃい、7/2までだから!」と勧められ急遽行ってみることにしました。

料紙(書の作品用の紙)の展示というのは聞いていたのですが、古美術〜というタイトルを知って、う〜ん、勧められなかったら見逃していたなあ、と思いながら雨の根津美術館へ。

書の勉強にもなるし…と普段はあまり利用しない音声ガイドも借りました。

そして展示は…とても…とても素晴らしかったです!!!

普段は法帖といって、印刷された本で見ている作品が…実物で見ると本当に美しくて。しかもいつもは書の展覧会では主に書そのものにスポットがあたるものですが(解説とか)、今回は料紙の種類毎に展示され、その紙はどうやって作られているのかの詳しい解説があり。感動しながら自分の勉強、知識不足をつくづく思い知りました。書の道は深く遠い…。

正面からはあまり見えないのに角度を変えるとはっきり浮かび上がってくる(特別な照明を使って見やすくなっている)【雲母(きら)摺り】の奥ゆかしい美しさから、金、銀の箔をふんだんに使った【金銀泥下絵】や【金切箔・砂子散らし】の豪華絢爛な美しさ…。

【丁子吹き】というクローブを吹きかけて染める技法は、今で言うスパッタリングみたいで、昔からあるんだな〜と思ったり。

【飛び雲】や【霞引き】など、一度できた技法にも年代に応じて変化していき(流行、ということだろうか)、書から襖絵、絵へと応用されていったことなど。

書だけでなく料紙も、総合的に学んでいかないと、自分の創作にもいい刺激になりました。そして、始まったばかりの五島美術館の「料紙のよそおい」展にも早々に足を運ばねば…と決意を新たにしたのでした。

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