旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本 板橋区立美術館 2024.4

相変わらずの遠路はるばる……バナー

シュルレアリスムを知る入口はサルバドール・ダリが多いかと思うけれど、例に違わず私も子供の頃にみた不思議なダリの世界には魅了されました。
今年はアンドレ・ブルトンシュルレアリスム宣言から100年とのことでシュルレアリスム関連の展覧会、展示が多いような気もする。東京都美術館ももうすぐキリコ展が始まるし。もしかしたら今の時代の空気感にあっている、とかの理由もあるかもしれないけれど。
1/8の「館蔵品展 展覧会のちょっといい話–絵本と近代美術のあれこれ–」を観に行った時に、予告ポスターを見ながら絶対行こうと楽しみにしてたのに、最終日に滑り込みで行ってきました。1/8とは違って混んでました。あんなに混んでる板美は久しぶり。

日本のシュルレアリスムの活動が、歴史を追って展示されていて、作品以外にも出版物もあって、とてもわかりやすい構成になっていました。ちょっと順路が紛らわしいところもあったけど。

フランスで起こったシュルレアリスム運動が日本に入ってきて、影響を受けた芸術家たちが表現を広げ……でも時代が悪く、戦時下になり、危険思想となって弾圧を受け、(東京美術学校(今の東京芸術大学)ではシュルレアリスムが禁止されたり。瀧口修造と福沢一郎は治安維持法で逮捕されている。)さらに、若い芸術家たちは戦争で命を落とした者も多く、制作を続けていられたらどんな風に作品が変わっていっただろうか?と思うと悔しいことこの上ないです。戦後もシュルレアリスムの影響は続き、社会問題、反戦というテーマの作品が出てきて、その表現方法からそれらのテーマにも昇華しやすかったのでは?と思いました。

東郷青児(意外!)の作品と大好きな植田正治の作品を観れたのがうれしかった。あと一番印象に残ったのは堀田操の作品でした。

この展覧会は巡回展なので、昨年、京都から始まって、この後は三重県立美術館で4/27~6/30です。多くの人に観てもらえるといいな、と思います。

ポスターのビジュアルは 浅原清隆「多感な地上」