旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

テオ・ヤンセン ストランドビーストin千葉みなと new born 荒井良二 いつもしらないところへたびするきぶんだった 千葉市美術館 2023.12

夏に島根県立美術館でテオ・ヤンセン展と聞いて、すごく似合う、いいなあ、行きたいなあなんて思っていたのですが、なかなか難しく思い叶わず。巡回展とは知っていたので調べたら10月から千葉県立美術館と知り、これなら行ける!とわくわく待っていたら、こんなニュースが。

応募リンク消えてたのでスクショ

 

もちろん応募したのですが、各時間10組は狭き門で、外れてしまいました。が、観覧はできるというので当日行ってみました。

イベント会場の千葉ポートタワーに行く途中に千葉県立美術館があるのですが、人人人、の大行列、係の人に聞いたら入場まで2時間待ちとのことで、今日はイベント観るだけにして、展覧会はあきらめて早々に出直しを決意、開幕直後に行っておいた方がよかったかな〜と少し後悔しました。美術館がそんな状態なのでイベント会場はどんななのかと少し心配していたら思っていたよりは近くで見ることができました。

風で自走するストランドビースト

 

一緒に歩く、というのはストランドビーストを押しながら歩くので、1組ずつ、30分区切りで限定10組、だったのね。自走するストランドビーストと一緒に周りを歩くのかと思っていたので、ちょっとイメージと違ってました。ついでにいうと、海辺、浜辺ってイメージもないですね。

イベント全体風景……一応海は見える

 

ただ、お天気が良くて気持ちいい日だったので、よかった。
イベント当選者が歩いている時以外は、風で自走させてくれて、シューティングタイムです、とのことでした。風が止まっちゃったらスタッフが紐で引っ張ります。思ってたのと少し違ってたけど、青い空の下歩くストランドビーストを見れたのは貴重な体験だった、と思いつつ会場を後にしました。

せっかく千葉まで来たので、千葉市美術館に移動して『new born 荒井良二 いつもしらないところへたびするきぶんだった」を鑑賞。

new born 荒井良二 いつもしらないところへたびするきぶんだった

きょうは そらに まるいつき

あさになったので まどを あけますよ

 

最初から最後まで、とにかく絵がうまい人だな〜と。線がとてもいい、構図も色もいい、そんな表現ができることが羨ましくて、ずっと唸ってました。
それなのに、絵が上手くなりたいから毎晩1枚模写してるとか。そうなんだ……。

美しい線……

12月17日まで

(行けなかった)千葉県立美術館も千葉市美術館もちょっと遠くて、千葉みなとから千葉へ移動したモノレールもなかなかスリリングで、楽しい冬の日帰り旅でした。

瀬戸内国際芸術祭 秋 おまけ 2022.11

二日連続、夜までみっちり楽しんで満足感があったのか、最終日は観光に、こんぴらさんこと金刀比羅宮へ行ってみました。

高松から琴平まで、時間節約と思って特急に乗ったらアンパンマンでした。かわいい。


JR琴平駅はレトロな洋館風建築で素敵でした(写真は帰りでいいや〜と思って撮り損ねた)お土産屋さんが並ぶ道を歩いて、表参道口まで。

ここからつらいつらい階段が続くのです……このときはまだその大変さに気付いていなかった。

 

『一生に一度はこんぴら参り』とか言いますが、ほんとに、一度でいいです!と思うくらいハードでした〜。これ、奥宮まで行く人、すごいなー。あと、昔『こんぴら狗(いぬ)』という風習(「こんぴら参り」と記した袋を首にかけた犬が、飼い主の代わりにお参りをする)があったそうで、ワンちゃんと一緒にお参りができるので、愛犬連れの方をよく見ました。飼い主もワンちゃんもすごいね。

一息ついたかと思ったら

まだまだ……

ここがゴール?と思ったら

まだまだ……

もうそろそろ……限界と思ったところで

ゴール!

785段を登って本宮でお参りです。この先の奥宮まではさらに583段です、行かなかったけど。

さすがの絶景です。息切らしながら眺める。

ヤノベケンジ狛犬がありました。瀬戸芸旅っぽい。

へろへろになりながらの帰り道は、

はじまりかけ?の紅葉を楽しんだり

高橋由一館に寄ったり

のんびりと金比羅山を後にしました。
琴平駅へ戻る途中、琴電琴平駅にちょうど電車が来ていたので、栗林公園に寄ってみようかなあと、ことでんで帰ることに。

琴電琴平駅 こちらも可愛い駅


ことでんに揺られながら栗林公園の情報を検索したりなどしていましたが、やっぱり、もう疲れてしまい、公園の散策は、ちょっと無理、と今回は見送り。残りの時間は高松市美術館でのんびり過ごすことにしました。やっぱり美術館に戻るんだ、私。

でも、この判断はとってもよかったです。

開催中だったのは、『高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.11』独創性、創造性のある作家を発掘紹介する、年に一度の現代美術のグループ展。今回のテーマは「フラジャイル(fragile=こわれやすい、繊細な)」

赤松音呂、諌山元貴、稲崎栄利子、北野謙、本田健による展覧会でした。

稲崎栄利子 月光泉

陶芸家、稲崎栄利子の陶彫作品。繊細で幻想的な世界。

そして特に好きになったのが、赤松音呂の作品。

赤松音呂 チジ木

地球全体に生じる「地磁気」と銅線が仕込まれた木製の「輪」の磁気の相互作用によって北あるいは南に向かって輪が回転する。人間には感じることのできない地磁気の作用を動きで知覚するインスタレーション

赤松音呂 メテオン

地球の大気が太陽エネルギーによって暖められ循環するようにこの作品も気化熱によって循環運動を続ける。サヌカイトや貝殻などがランダムに音を出す作品。作品名の「メテオン(Meteon)はMeteorology(気象学)とOn(音)を組み合わせた造語。

赤松音呂 チョウズマキ

瓶に入れられた磁石が外部の磁力によって回転し、渦巻きが現れる。その回転は常に変化を続け、ゆらぎを持った渦巻きは水流の音と泡が弾ける。高音が混ざる複雑な音を生んでガラスのホーンで増幅される。作品名の「チョウズマキ」は手水と渦巻きを組み合わせた造語。

アートと、理系(?でいいかしら)の組み合わせは圧倒されることが多い。特に、目に見えないものがアートを通して見えるようになるからなんというか壮大な世界を感じるのが楽しいです。

この作品に出会えて、よかったな〜と幸福感に浸りながら、2022年の瀬戸芸旅は終わりました。また、3年後に素敵な旅をしよう。

瀬戸内国際芸術祭2022 秋 屋島 2022.11

年末の忙しさや仕事に追われていたら、もう年が明けて、2月になってしまった。今更ながら今年もよろしくお願いします。残りの瀬戸芸旅です。

3日目夜:屋島

島といっても春会期の沙弥島と同じ、陸続きの島です。源平合戦で有名ですね。本当は、コトバスのナイトツアーがあって、そちらに参加してみようかと思っていたのですが、出発時間までに高松には戻れそうになかったので。調べたら琴電屋島駅から夜もシャトルバスが出てたので、そちらを利用して行ってきました。

琴電屋島駅へはことでん瓦町駅志度線に乗り換え。高松駅前のホテルステイだったので、ことでんに乗らないのは寂しいわね、と思っていたので、ちょっとうれしい。

乗り換えホームに向かう途中、私以外に人がいなくて???あってる?大丈夫?って不安になったのだけど、ホームに着いたらもう電車がいて、通勤や通学のお客さんで結構混んでいました。瓦町駅から琴電屋島駅までは15分くらい、着いてみて小さい駅でちょっとびっくり、あと、無人駅でした。シャトルバスのバス停を確認してから、まだ時間があったのでかわいい待合で待機。

私以外には3人ほどお仲間が。出発の10分か15分か前にはバスが到着したのでそちらに移動。バスに乗って待っていたら、次の電車が来て、こちらには結構、瀬戸芸のお客さんが乗っていたみたいで人が増えてホッとしました。

直通で屋島山頂へ10分強です、夜なので景色を楽しむというわけにはいきませんが、知らない場所に行くワクワクと、あまりの夜の暗さに(昨日もそうだったけど)ドキドキ。

屋島山頂駐車場に到着、屋島寺を通って会場のやしまーるへ向かいますが、本当に真っ暗でちょっと不安に。みな同じ気持ちなのか、バスから降りた他の人たちとも心なしか固まって移動しました。次行くなら絶対携帯用のライト持っていきます。

やっと灯りが見えてほっとしたところ

屋島寺を抜けて、少し歩くとお土産屋さん(閉まってましたが)その先に飲食店(こちらは営業中、おしゃれな感じでした、灯りにほっとします)、そしてやしまーるに到着。

やしまーる、またの名は⾼松市屋島⼭上交流拠点施設、不思議な形の建物です。

やしまーる、全景を撮るのはなかなか難しい

やしまーる内の展示、おいりがモチーフ?

 

そして、お目当ての作品

月はまた昇る プロジェクト「同じ月を見た日」より 渡辺 篤(アイムヒア プロジェクト)

大きな円に月の映像が映されています。周りの夜景と組み合わさって幻想的な作品。美しい。隣に立つ看板に作品のコンセプトが書いてありました。

 

この作品は、月の幻想的な表情を愛でる作品でも、天体をテーマとする作品でも、会えない恋人を思うロマンティックな作品でもありません。

元ひきこもりの現代美術家、渡辺がコロナの感染拡大が始まった2020年春、『コロナ禍に孤独感を抱く人』という条件でメンバー募集を行いました。集まった国内外のひきこもり、心身の障害や生きづらさなどを持つ約50人と遠隔交流を続け、渡辺はスマホ用小型望遠鏡を無償配布しました。そのメンバー達が日々、各々の場所から撮影した月の写真を、受け取り編集した映像です。

コロナが収束した未来にも月は昇ります。その時にも、我々は想定の向こう側に座る人々とも共に、同じ月を眺めるでしょう。

映像なので月の表情も変わっていきます、近くで見るとスクリーンってわかりますね

本物の月

作品の月と本物の月

やしまーると作品の月


帰りのバスはもう最終バスでそれまで時間があったので、ゆっくり、ずっと、変化する月を眺めていました。

今回の瀬戸芸はなぜか月に縁の深い作品に出会いました。

(春の沙弥島のレオニート・チシコフに行ければもっとよかったのに!)

それぞれのお店のデザインも素敵でした

お店を抜けた側からの夜景

2つの作品を堪能してから、月はまた昇るプロジェクトのポスターももらって、最終バスに座れるように早めに駐車場へ移動。このとき、コトバスのナイトツアーの帰りとちょうど鉢合わせて、チャーターバスですんなり帰るみなさんを見て、また、帰りの琴電屋島駅からの電車も30分くらい待ったので、やっぱりツアー参加が快適ね、としみじみ思ったのでした。

懐かしい感じの表示板とかわいいことでん

ただ、駅のホームでじっと電車を待っている時に、ポスターを何回も巻き直している私を見かねてか、同じく屋島帰りの同じポスターを持った方に、輪ゴムをいただいて(ありがとうございました、感謝)人との触れ合いにあったかい気持ちにもなり、瀬戸芸の旅はやっぱりいいな、と思いながら帰りました。

瀬戸内国際芸術祭2022 秋 小豆島 2022.11

早朝、朝食を買いに、遠目にジュリアン・オピーの作品、今日もいい天気になりそう

3日目:小豆島

宿泊したホテルの朝食が和食のみで、どうしてもパンが食べたくてコンビニに。小豆島へのフェリーは9時発なのでのんびりの朝です。

土庄行きのフェリーはクーポンが使えたので往復で購入。土庄港に着いたら南廻り福田線のバスでまずは福田港へ移動します。今回もバス1日フリー乗車券を購入。ICカードが使えるので、乗る回数によっては必ずしも得になるとは限りませんが、楽なので。(私は前回も今回もお得で乗れました)土庄港〜福田港〜寒霞渓〜草壁港〜土庄港と回ります。

福田港 土庄港の反対側 山の中を走ってまた海に出るのが新鮮な気分

少し歩いて福武ハウスに到着。

福武ハウス 廃校になった学校を再利用した美術館

2013年からアジアと繋がるプロジェクトが進んでいるスペースです。『時代の風景・時代の肖像+++』をテーマにアジアの現代美術作品が見れます。

あと、昔見た、森村泰昌森万里子の映像作品を見て懐かしかったり。

その後は、福武ハウスから寒霞渓までの臨時バスがあるので、それを待つ間に『葺田の森テラス』で昼食。

葺田の森テラス

小豆島の特産物を使った美味しいお弁当と季節のシロップジュースなどが楽しめます。

福田の潮風弁当をコーヒーをお供にいただきました

気持ちのいいテラスです

鳥の囀りがBGMでした

食事の後は、『葺田パヴィリオン』を鑑賞。

葺田パヴィリオン

いろんな角度、距離から眺めちゃう

この空間が客席であり子供の遊び場だそう

寒霞渓行きの臨時バスで移動。バスといっても大型タクシーのような車でしたが。みんな無事に乗れてよかったわと思うくらいの定員6名くらい?という感じ。出発の時、運転手さんが「途中、ちょっとだけ作品が見えますが、それ以外は景色は楽しめません」みたいなこと言っていました。作品は『イ・スーキュンのそこにいた』カーブする時にちらっと作品が見えて、そこは徐行してくれました。トンネルにでも入るのか?と思いましたが、車窓は普通に楽しめましたよ。30分ほどで寒霞渓山頂に到着です。

瀬戸内海国立公園 寒霞渓 (かんかけい)

大渓谷と海を一望できる景勝地です。

右の屋根の所は足湯、その先の人が多いところから瓦投げできます

展望台巡り 所々で紅葉が楽しめる感じでした

さて、作品を鑑賞しにいきましょう(途中ちょっと迷った)

空の玉/寒霞渓 青木野枝

春会期には制作風景も公開していた作品。青木野枝の作品は豊島で知って好きになって府中市美術館でやってた展覧会を見に行きました。

中に入ってからの眺め

直径約4mの鉄の球体で作った見晴台。鉄の色はすでに錆色が出ていて。これからの変化が興味深い。

作品と景色を楽しんでからロープウェイで山を降ります。(ロープウェイの切符もクーポンで購入可能でした)こううん駅に着いて紅雲亭から神懸線のバスで草壁港へ移動です。草壁港に着いたのは16時、同じバス停で土庄行きのバスに乗り換えなので、しかもすぐそのバスが来るのでほとんどの人が土庄へ戻るようでした。私は16時31分のバスで戻るつもりで最後の作品鑑賞です。青木野枝目当てで小豆島へ来たけれど、ここでの作品で、ああ、やっぱり小豆島に来てよかった、と心から思いました。

辿り着く向こう岸 シャン・ヤン(向阳)

こえびスタッフの人から「やっと海に出られました、3年前はあそこに、陵の上でしたから」の説明にピンときて!「ああ、3年前、あそこにあった塔ですか?ほんとだ!」と思わずはしゃいでしまいました。

chiegon.hatenadiary.jp

このときに見た、『辿り着く向こう岸ーシャン・ヤンの航海企画展』陸にいた、この船や塔が、海の上でその続きの作品として完成されたのでした。うれしい再会、わ〜!やっぱり小豆島に来てよかったなあと感激しました。

左の階段で上に登れます。手前の箱が3年前の塔。

船体の中からの眺め

鐘を外(甲板かな?)から

2階からの眺め、3年前は塔だった、この箱の中にも入れます。

2階からの眺め、海側。

作品を堪能して、土庄港へ戻ります。草壁港はコロナの影響で休港中のため、少し寂しい感じでした。作品公開も、16時半までなのか、スタッフさんも店じまいをしていました。

バスは10分遅れで到着、混んでいたけど何とか乗り込み(どのバス停でも行列なのでその後に2台ほどバスを出したようでした)ただ、道路も混んでいて、時刻表の到着時間より大分押していて……このままじゃ、17時半のフェリーには間に合わないかも?と焦ってきました。そのフェリーに乗れなかったら次のフェリーだと屋島に間に合わないので、予定変えて高速船にすれば間に合うかな?などとぐるぐる考えていました。

幸い、フェリー出発の10分前!に土庄港へ到着、ダッシュで乗り込み間に合いました。お土産買ったりはできなかったけど、まあ、こんなこともあるわね、とのんびり高松港への帰路を過ごしました。

あと、小豆島のフェリーは降りる時、車と人が同時に降りるので、方向を間違えると歩行者はすごく待つことになるので注意です。(←自分に言い聞かせ)

高松港へは18時半に到着、次は夜の屋島へ。

 

瀬戸内国際芸術祭2022 秋 旧観音寺商店街エリア よるしるべ 2022.11


観音寺は、瀬戸芸で、観音寺港から伊吹島へ行く時に利用する駅です。

chiegon.hatenadiary.jp

多度津駅からは特急なら15分ですが、時間があったので、のんびり予讃線の普通電車(所要時間40分強)で向かいました。

途中、海岸寺駅から宅間駅の車窓が海と平行して走るのでとても美しくお気に入りの景色です。(ちなみに宅間駅は須田港から粟島へ行く時に利用する駅、2013年に訪問しました。秋会期の本島、高見島、粟島は島から島へフェリーで移動できますが、伊吹島は観音寺港からのみで、瀬戸芸で一番遠い島です。)

今回、伊吹島へは行けなかったけれど、瀬戸芸のインスタで、観音寺の『よるしるべ』というイベントに興味を持ったので行ってみました。

観音寺駅に着いたら、駅のお土産屋さんで『銘菓観音寺』を買おう!とワクワクしていたら、お土産屋さんが閉まっていて「コロナ禍のため16時までの営業」という悲しい貼り紙…。ちっコロナめ、とうどん屋さんに続きショックを受けていたら、隣のセブンイレブンでもお土産品を扱ってます、とあったので、のぞいてみたら、ありました!『銘菓観音寺』!よかった〜!

銘菓観音寺 包装紙はシックだけど中の箱が可愛かった

観音寺駅に着いたはいいものの、どこで開催されるのかもよくわからず、とりあえず、シャトルバスの出るハイスタッフホール(観音寺市民会館)あたりに行けば、何かわかるかな?と歩いていたら、道途中の瀬戸芸のインフォメーションが店じまいしているところで、案内チラシをもらえました、ギリギリセーフだった〜。

チラシ ロゴが可愛い

 

まだ開始の18時まで時間があったので、ハイスタッフホールで休憩しながら『よるしるべ』について調べてみたら、2011年からはじまり、瀬戸芸の年には公式プログラムになっているそうです。そういえば、3年前、伊吹島からの帰り、シャトルバス降りたらハイスタッフホールの壁にプロジェクトマッピングが映っていて、何かしら?って思ったのを思い出しました。

18時少し前くらいからハイスタッフホールに1Fロビーに受付が作られて、そこでマップ配布、また順路を簡単に説明してもらいました。

そろそろ投影が始まると思うので、とのことで移動開始です。

MAP ☆印の場所に作品があります

作品は公募作品と作家さんの作品がありました。夜なので暗く、また、狭い場所が多いので、あまりきちんとチェックできなかったのですが、記憶をもとに追っていきます。

おいりがモチーフ まだ、空がやや明るいですね

寛永通宝

観音寺といえば、寛永通宝らしいのですが(銘菓観音寺のモチーフにもなってる)なんで?と調べたら琴弾公園というところに寛永通宝銭形砂絵があるそうです。

寛永10年(1633年)に藩主、生駒高俊公を歓迎するために一夜にして作られたと言われており、この砂絵を見れば健康で長生きし、お金に不自由しないと伝えられています。(観音寺市ホームページより)

マンホールの蓋も寛永通宝

一心寺

幻想的な入口の一心寺、ここの様子をインスタで見て、惹かれたのでした。

参道に水紋が現れ、だんだん増えてさざ波になっていきます

竹灯り

木にも投影

一心寺では10月30日に声明と雅楽の『よるしらべ』というコラボイベントもあったそうです。素敵そうですね。

紀州屋 昔の着物の柄がモチーフ

マップ見ながら、え?こんな細い道に入るの?なんて思うのですが、心強いみちしるべが所々にあるので大丈夫

とらや 羊羹ではなくおしゃれな割烹料理屋さんです、川沿いです

専念寺 観音寺芸妓検番 昔の芸妓さんの源氏名がモチーフ

金比羅山/中新町自治会館 小恵美浜

有明浜の夕日、鳥が飛んでくるのだけど、うまく撮れなかった〜

かまぼこ音楽堂

ハートとか星とか可愛い感じ

中にも作品が、顔はめ看板になってます テーブルと椅子があって休憩もできます

向かいは山地蒲鉾さんで、おでんとか軽食も出ていて音楽堂で食べてもよかったのだけど、あまりお腹が空いていなくて、お店でお土産に練り物のセットを買いました。確か『よるしるべセット』みたいなまとめ売りになってた。それがまた、とても美味しくて!どれも美味しかったけど、きくらげとたこの練り物はいいおつまみになりました。また、行きたいです

インフォメーション

インフォメーションの壁にお魚がたくさん泳いでいて可愛かったのだけど、全然写真には撮れませんでした。上のはオトメベラだと思うのよね。
中ではアーティストの作品とお土産が売っていて、有明浜のハマゴウという植物から作ったアロマスプレーを買いました。とてもいい香りだったので。ハマゴウは『浜香』と書くのですって。

幾何学的な映像と竹灯りに囲まれた建物の中は

yourBASE ゆらゆらは海と月

竹灯りが迎えてくれる入口、中は……

正面 月とくらげ?

側面にはゆらゆらくらげの映像

なんか不思議な空間で、ずっと見ていたくなる感じでした。最後は……

薬師寺 薬師寺文様

こちらも、文様が変わるので、ずっと見てしまう。

美しさと迫力のある、でも繊細な作品でした。

知らない夜の街を歩きながら作品を見て回る、新鮮な経験をしました。素敵なプログラム、来てみてよかったな〜。

そして駅まで戻る途中、伊吹島の特産品が買えるお店を発見。3年前に伊吹島で買ったいりこは本当に美味しくて、今年も欲しいけど、島に行けなかったしな〜と残念に思ってたので、うれしくてテンションが上がりました。

いりこも美味しいけど、いりこを使っただし醤油も絶品です。銘菓観音寺も買えたし、やっぱり観音寺に来てよかったな〜と食いしん坊ぶりを発揮して高松へ戻りました。帰りはぴゅーっと特急で。

瀬戸内国際芸術祭2022 秋 高見島&多度津港周辺 2022.11

 

高見島

2日目:

1日目は女木島に変更したので、残りの旅程を固めることにしました。秋の島に行くには電車の時間もあるし。

一番行きたいのはやっぱり高見島なので、2日目は高見島に。そして夕方、観音寺に行ってよるしらべ。

3日目は、青木野枝の新作の場所が寒霞渓なので、行けるアート作品は少なくなっちゃうけど観光を兼ねてていいかも、と小豆島に。高松に戻ったら屋島山上。

で、すべての電車の乗り換えと時間を調べて旅程決定です。

ちょっと心配だったのが、1日目の夜、テレビをつけていたら、NHKで瀬戸芸の特番が始まり、しかも訪問地が高見島だったので、あれ?もしかして混むかな?小さい島だから大丈夫かな?と。

番組の効果と、閉幕前と、祝日とが重なって、やっぱりすごい混雑でした。フェリー乗り場に並んでいたら、多度津の町散策もどうぞ〜芸術祭の作品もありますよって観光マップを配っていて、周りの並んでいる人たちが「合田邸に入れるんだって!」とわいわいしていたので「合田邸って何?とりあえず行けたら寄ってみましょ」とマップをもらいました。

フェリー満員で行ってしまった〜この後の臨時便に乗ります

高見島は徒歩で回れる島なのでレンタサイクルが捌ける心配もないので島に渡れれば大丈夫。

到着〜乗ってきたフェリーを見送る

Merry Gates 内田晴之

高見港に門(作品)ができていた。高見島はとにかく坂を登ります。3年前と違って作品のある集落に向かう坂の手前で受付になっていました。

登って登って

 

たまに降りて

こんなにきつかったかな?というくらい登る登る。自分の体力も落ちているのかも知れないけど。

その分眺めは気持ちいいです

~ melting dream ~/高見島パフェ 名もなき女性(ひと)達にささぐ... 西山美なコ

シュガーペーストでできた薔薇が約350輪。その可愛らしさと古い家とのコントラストというかアンバランスさというか。しつらえの家具の優美さとの組み合わせもおもしろい。

角度を変えると鏡台に映り込む景色も変わる

時間をかけて変化していくお砂糖の薔薇たち。儚さもあり、艶かしさもあり。

過日の同居2022 藤野裕美子

屋根裏に作品が増えていた。下と違って光が入らないので岩絵具の質感がマットに見える。

かたちづくられるもの 鈴木健太郎

青い青い部屋。サイアノタイプという手法と千社札というモチーフの組み合わせが古き良きものを懐かしむ感じがした、でも青の爽やかさから若さも感じた。

通りぬけた家 鐵羅佑

廃屋を鉄で覆ったのね?と思っていたら突き抜けている、というコンセプトでした。吹き抜ける風が家の存在を可視化する、とありましたが同時に光も家の輪郭を際立たせているな、と感じました。

他に、私の好きな中島伽耶子『うつりかわりの家』『時のふる家』、リニューアルもしていた村田のぞみ『まなうらの景色2022』と回って思ったことは、展示されている古い家が、経年変化のせいか、屋内にだいぶ光が入るようになっているな、と思いました。暗闇の中で見てきたときとは印象が変わります。

Re:mind 山下茜里

床一面の絵、じっくり見ると生命力にあふれたいろいろなかたちが見えてきます。

2階に上がると……

生えてる?目、目、目。のぞかれてもいるような。

The Waiting Point Eri Hayashi

『弘法も筆の誤り』の点を高見島の形に例えたというおもしろい視点からの作品。

高見島の木 竹腰耕平

取り壊された家屋の跡とそんなことはきっと知ったこっちゃない自然の木と。
そして、心のメイン、高見島で一番見たかった作品へ。

FLOW ケンデル・ギール

海のテラスに設置された作品。木(焼杉)に嵌め込まれた鏡やガラスに瀬戸内の景色が映って不思議な風景になります。

前回の伊吹島の作品といい、どうも私は芸術祭の屋外の作品という開放感と鏡という組み合わせに惹かれるようだ。鏡を通して見える景色が、広がったり変化していったりするのが好きなのかな。

満足して、まだ、帰りのフェリーまで時間があるのでゆっくりお食事。

高見島の郷土料理 『なめし』の定食

『喫茶あい』さんでいただきました「なめし」。じゃこ、百花(まんば)、かまぼこ、油あげ、にんじん等の野菜が入ったまぜごはんです。ほんのり甘くておいしかった。蓋開けてないけど、となりの汁物はそうめんのお味噌汁で、すっごくいいお味のだしでした。おいしいって思わずつぶやいたもの。他には「たこめし」なんかもありました。

14時の臨時便で多度津港へ帰ります。その後は多度津港周辺散策。

多度津街中プロジェクト≫ 海と路/一太郎やあい 尾花賢一

古い蔵を利用した作品。

多度津に伝わる『一太郎やあい』という、日露戦争時の軍国美談として当時の国定教科書にも掲載されたお話をベースにした作品。

多度津町の県立公園、桃陵公園には『一太郎やあい』像もあるらしい。検索すると歌なども出てくるし。私は初めて知りました。

多度津街中プロジェクト≫ Nocturne(Tadotsu) 山田悠

こちらも古い蔵で。お屋敷街ですね。月のストップモーションを繋げて映像にしたもの。夜の帷が降り、月が出てきてその動きが電線や屋根などをつたっているような映像がおもしろかったです。だんだん夜が明けていくのも清々しい気分になった。

多度津街中プロジェクト≫ 多度津町-海陸交通の発展・近代化を支えた商人たち 合田邸

そしてここが、合田邸。

多度津の近代産業の発展に尽くした多度津町の七人の豪商「多度津七福神」の一人「合田房太郎」の邸宅。大正~昭和初期に建築され、七福神の中で唯一残る邸宅。

合田房太郎(1861年~1937年)は米穀肥料商を営み、のちに県内初の私立銀行・多度津銀行の取締役、四国電力の前身・四国水力電気社長などを歴任し、四国の近代化に大きく貢献しました。(多度津町観光協会ホームページより)

大広間

ここで、「多度津七福神」の説明パネルなどがありました。あと、奥(床の間?というわりには広すぎるよね?ステージみたい)昔の映像が流れていて、お祭りなどの行事の映像が流れていたのだけれど、どちらかというと市井の人々とかの普段の様子が映っている感じで。これも貴重な資料なんだろうな……。きちんと保存されていて、昔のお金持ちも今の保存活動されている方々も素晴らしい。貴重なものを見れました。

かわいいステンドグラス

街歩きを楽しんだ後は、観音寺へ移動です。夜の部へ。

おまけ

おみやげ1:多度津高校の生徒さん手作り高見島

高見島の会場で、多度津高校の写真部の展示があって、こちらを販売していました。建築科の生徒さんがレーザーカッターで作った高見島。高低差がよくわかる。

おみやげ2:そしてなぜかおまけについてきた唐辛子

おみやげ3:お小皿

高見島に作家さんたちのショップがあって、そこで一目惚れして買いました。お小皿好きなのです。

のせてみた。

 

瀬戸内国際芸術祭2022 秋 女木島 2022.11

1日目:

久しぶりの羽田、空港はつい早めに着いてウロウロしてしまいます。久しぶりの飛行機、とワクワクしていたら、なんと飛行機が30分ほど遅れてしまいました……。

でも、窓からは降ったばかりの雪に染まった富士山も見れて楽しいフライトでした。

予定では、お昼過ぎに高松駅に到着、パスポート引き換えと荷物預けを済ませて特急→多度津→高見島、と考えていましたが、これはたぶん、特急には間に合わないな〜と。初っ端から予定変更となりました。

さて、どうしようかな?お昼過ぎはあまりフェリーがない時間帯なのです。小豆島みたいに本数の多い島もあるけど、1時間かかる上に大きい島なので向こうについてから回るのが難しい。

で、こんな時は!強い味方の女木島です。14時にフェリーがあって、20分で着いて、最終フェリーまでに十分回れる。半日しか時間がない到着日や出発日に行くことが多く、思えば2013年も2019年も1日目は女木島でした。今回は予定してなかったけど、女木島はなんとなく好きなので躊躇なく予定変更しました。

高松港に食のテラスができていた

香川の旬のものをいただきながらのんびりフェリー待ち

初めて乗る赤白しましまの新めおん号

『めおん』が新しくなったのは知っていましたが、中もデラックスになってました!快適な船旅〜。前の古い感じも好きでしたが。

いいお天気、瀬戸芸にきたぞ〜という景色

女木島、こんにちは〜!

予定に入れてなかった女木島ですが、新作も多く、楽しくて、あら、やっぱり来てよかったな!と思いました。

まずは女木島名店街へ。

ランドリー レアンドロ・エルリッヒ

再会の作品もあれば

ガラス漁具店 柳建太郎

初めましての作品も。ガラス細工のワークショップも開催していました。作家さんはガラス作家兼漁師さんだそうです。

ティンカー・ベルズ ファクトリー 中里繪魯洲

こちらのノスタルジックな作品は前回の『こころのマッサージサロン』に加えて作品が増えていました。もしかしたら入れ替えかもですが。『こころのマッサージサロン』に作家さんにお話聴きながら座れたのがうれしかった。

鬼ヶ島ピカピカセンター 岩沢兄弟

すごくキュートでかわいいなと思ったのが、こちら。女木島は鬼ヶ島伝説があるのです。「古いテレビから鬼ヶ島ピカピカセンター!」のCMが流れていてレトロな感じが昔の民家にとても合っていました。

リサイクルショップ複製遺跡 五所純子

こちらは海に面した開放的な印象が素敵な作品。借景、かな。ピカピカセンターも不用品を照明に作り替えていたし、今回のテーマはリサイクルが根底にあるのかな?名店街という設定なので販売もされてるみたい?旅の思い出にいいかな?と思ったのだけど、どこで購入できるのかわからず、まあ、いいかと。

いい眺め〜

結ぶ家 大川友希

こちらも古着をつなぎ合わせた紐(?でいいのかな?)で古い家を覆う作品。アパレル設定なせいか小物とかがかわいい、ランプとか。

こんぼうや 小谷元彦

こちらは鬼の棍棒のお店?と思ったら、閻魔様に地獄行きを判断されるお店らしい。でもそんなに怖い作品ではなかったです。


名店街から海沿いにてくてく歩いてたどり着いたのがこちらの楽しい作品。

ナビゲーションルーム ニコラ・ダロ

左端の天井から下がっているのがオルゴールになっていて、それと連動した仕掛けが動きます。ずっと眺めてられるな、と思いました。

逆光で暗くなっちゃうので、違う角度、オルゴール側から

結構カラフルなのですよ。

あとは、やっぱりこれに会いに行かないと、と。

女根 大竹伸朗

ここも、経年でどれだけ変わっているのか?ちょっと興味ある。今まで撮った写真で比べてみたらおもしろいかな、まあ、同じアングルで撮っているかは自信がないのだけれど。

そういえば、撮影禁止だったレアンドロ・エルリッヒの『不在の存在』(部屋に入る方)が撮影可になっていた。係の人が記念撮影してくれたけど、別に自分も入ることなかったなあと思った、作品だけ撮ってくればよかったかな。

作品を堪能して、港へ戻り帰りのフェリーを待ちます。

猫を眺めたり

月とかもめを眺めたり

この写真は明るいけれど、帰りのフェリーに乗る頃には夕焼け。高松港に帰ってきた頃には真っ暗です。秋の日は釣瓶落とし

食のテラスでホットレモネード

乗ってきためおんを眺めながらホットレモネードでホッとしました。

ホテルへ行く前に、高松シンボルタワーへ。

『ここにない人の灯り』『ドキュメントー同じ月を見た日』 渡辺 篤

屋島山上の作品と同じプロジェクトなので先に見ておこうと。オブジェと映像作品。

その後、ホテルへチェックインしたのですが、旅行支援の手続きがあるのでカウンターが混んでて行列でした。クーポンたくさんもらってしまって、さてどこで使えるの?とお部屋でチェックタイムとなりました。

夕飯はいつも行くうどん屋さんがあるので3年ぶり〜といそいそ向かったらシャッターが降りてて……まさか閉店?って検索したら、コロナ対策のため昼営業のみとのこと。結局この旅行では食べられず……ちぇっコロナめ。