年末の忙しさや仕事に追われていたら、もう年が明けて、2月になってしまった。今更ながら今年もよろしくお願いします。残りの瀬戸芸旅です。
3日目夜:屋島
島といっても春会期の沙弥島と同じ、陸続きの島です。源平合戦で有名ですね。本当は、コトバスのナイトツアーがあって、そちらに参加してみようかと思っていたのですが、出発時間までに高松には戻れそうになかったので。調べたら琴電屋島駅から夜もシャトルバスが出てたので、そちらを利用して行ってきました。
琴電屋島駅へはことでんの瓦町駅で志度線に乗り換え。高松駅前のホテルステイだったので、ことでんに乗らないのは寂しいわね、と思っていたので、ちょっとうれしい。
乗り換えホームに向かう途中、私以外に人がいなくて???あってる?大丈夫?って不安になったのだけど、ホームに着いたらもう電車がいて、通勤や通学のお客さんで結構混んでいました。瓦町駅から琴電屋島駅までは15分くらい、着いてみて小さい駅でちょっとびっくり、あと、無人駅でした。シャトルバスのバス停を確認してから、まだ時間があったのでかわいい待合で待機。
私以外には3人ほどお仲間が。出発の10分か15分か前にはバスが到着したのでそちらに移動。バスに乗って待っていたら、次の電車が来て、こちらには結構、瀬戸芸のお客さんが乗っていたみたいで人が増えてホッとしました。
直通で屋島山頂へ10分強です、夜なので景色を楽しむというわけにはいきませんが、知らない場所に行くワクワクと、あまりの夜の暗さに(昨日もそうだったけど)ドキドキ。
屋島山頂駐車場に到着、屋島寺を通って会場のやしまーるへ向かいますが、本当に真っ暗でちょっと不安に。みな同じ気持ちなのか、バスから降りた他の人たちとも心なしか固まって移動しました。次行くなら絶対携帯用のライト持っていきます。
屋島寺を抜けて、少し歩くとお土産屋さん(閉まってましたが)その先に飲食店(こちらは営業中、おしゃれな感じでした、灯りにほっとします)、そしてやしまーるに到着。
やしまーる、またの名は⾼松市屋島⼭上交流拠点施設、不思議な形の建物です。
そして、お目当ての作品
大きな円に月の映像が映されています。周りの夜景と組み合わさって幻想的な作品。美しい。隣に立つ看板に作品のコンセプトが書いてありました。
この作品は、月の幻想的な表情を愛でる作品でも、天体をテーマとする作品でも、会えない恋人を思うロマンティックな作品でもありません。
元ひきこもりの現代美術家、渡辺がコロナの感染拡大が始まった2020年春、『コロナ禍に孤独感を抱く人』という条件でメンバー募集を行いました。集まった国内外のひきこもり、心身の障害や生きづらさなどを持つ約50人と遠隔交流を続け、渡辺はスマホ用小型望遠鏡を無償配布しました。そのメンバー達が日々、各々の場所から撮影した月の写真を、受け取り編集した映像です。
コロナが収束した未来にも月は昇ります。その時にも、我々は想定の向こう側に座る人々とも共に、同じ月を眺めるでしょう。
帰りのバスはもう最終バスでそれまで時間があったので、ゆっくり、ずっと、変化する月を眺めていました。
今回の瀬戸芸はなぜか月に縁の深い作品に出会いました。
(春の沙弥島のレオニート・チシコフに行ければもっとよかったのに!)
2つの作品を堪能してから、月はまた昇るプロジェクトのポスターももらって、最終バスに座れるように早めに駐車場へ移動。このとき、コトバスのナイトツアーの帰りとちょうど鉢合わせて、チャーターバスですんなり帰るみなさんを見て、また、帰りの琴電屋島駅からの電車も30分くらい待ったので、やっぱりツアー参加が快適ね、としみじみ思ったのでした。
ただ、駅のホームでじっと電車を待っている時に、ポスターを何回も巻き直している私を見かねてか、同じく屋島帰りの同じポスターを持った方に、輪ゴムをいただいて(ありがとうございました、感謝)人との触れ合いにあったかい気持ちにもなり、瀬戸芸の旅はやっぱりいいな、と思いながら帰りました。