旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

瀬戸内国際芸術祭2022 秋 高見島&多度津港周辺 2022.11

 

高見島

2日目:

1日目は女木島に変更したので、残りの旅程を固めることにしました。秋の島に行くには電車の時間もあるし。

一番行きたいのはやっぱり高見島なので、2日目は高見島に。そして夕方、観音寺に行ってよるしらべ。

3日目は、青木野枝の新作の場所が寒霞渓なので、行けるアート作品は少なくなっちゃうけど観光を兼ねてていいかも、と小豆島に。高松に戻ったら屋島山上。

で、すべての電車の乗り換えと時間を調べて旅程決定です。

ちょっと心配だったのが、1日目の夜、テレビをつけていたら、NHKで瀬戸芸の特番が始まり、しかも訪問地が高見島だったので、あれ?もしかして混むかな?小さい島だから大丈夫かな?と。

番組の効果と、閉幕前と、祝日とが重なって、やっぱりすごい混雑でした。フェリー乗り場に並んでいたら、多度津の町散策もどうぞ〜芸術祭の作品もありますよって観光マップを配っていて、周りの並んでいる人たちが「合田邸に入れるんだって!」とわいわいしていたので「合田邸って何?とりあえず行けたら寄ってみましょ」とマップをもらいました。

フェリー満員で行ってしまった〜この後の臨時便に乗ります

高見島は徒歩で回れる島なのでレンタサイクルが捌ける心配もないので島に渡れれば大丈夫。

到着〜乗ってきたフェリーを見送る

Merry Gates 内田晴之

高見港に門(作品)ができていた。高見島はとにかく坂を登ります。3年前と違って作品のある集落に向かう坂の手前で受付になっていました。

登って登って

 

たまに降りて

こんなにきつかったかな?というくらい登る登る。自分の体力も落ちているのかも知れないけど。

その分眺めは気持ちいいです

~ melting dream ~/高見島パフェ 名もなき女性(ひと)達にささぐ... 西山美なコ

シュガーペーストでできた薔薇が約350輪。その可愛らしさと古い家とのコントラストというかアンバランスさというか。しつらえの家具の優美さとの組み合わせもおもしろい。

角度を変えると鏡台に映り込む景色も変わる

時間をかけて変化していくお砂糖の薔薇たち。儚さもあり、艶かしさもあり。

過日の同居2022 藤野裕美子

屋根裏に作品が増えていた。下と違って光が入らないので岩絵具の質感がマットに見える。

かたちづくられるもの 鈴木健太郎

青い青い部屋。サイアノタイプという手法と千社札というモチーフの組み合わせが古き良きものを懐かしむ感じがした、でも青の爽やかさから若さも感じた。

通りぬけた家 鐵羅佑

廃屋を鉄で覆ったのね?と思っていたら突き抜けている、というコンセプトでした。吹き抜ける風が家の存在を可視化する、とありましたが同時に光も家の輪郭を際立たせているな、と感じました。

他に、私の好きな中島伽耶子『うつりかわりの家』『時のふる家』、リニューアルもしていた村田のぞみ『まなうらの景色2022』と回って思ったことは、展示されている古い家が、経年変化のせいか、屋内にだいぶ光が入るようになっているな、と思いました。暗闇の中で見てきたときとは印象が変わります。

Re:mind 山下茜里

床一面の絵、じっくり見ると生命力にあふれたいろいろなかたちが見えてきます。

2階に上がると……

生えてる?目、目、目。のぞかれてもいるような。

The Waiting Point Eri Hayashi

『弘法も筆の誤り』の点を高見島の形に例えたというおもしろい視点からの作品。

高見島の木 竹腰耕平

取り壊された家屋の跡とそんなことはきっと知ったこっちゃない自然の木と。
そして、心のメイン、高見島で一番見たかった作品へ。

FLOW ケンデル・ギール

海のテラスに設置された作品。木(焼杉)に嵌め込まれた鏡やガラスに瀬戸内の景色が映って不思議な風景になります。

前回の伊吹島の作品といい、どうも私は芸術祭の屋外の作品という開放感と鏡という組み合わせに惹かれるようだ。鏡を通して見える景色が、広がったり変化していったりするのが好きなのかな。

満足して、まだ、帰りのフェリーまで時間があるのでゆっくりお食事。

高見島の郷土料理 『なめし』の定食

『喫茶あい』さんでいただきました「なめし」。じゃこ、百花(まんば)、かまぼこ、油あげ、にんじん等の野菜が入ったまぜごはんです。ほんのり甘くておいしかった。蓋開けてないけど、となりの汁物はそうめんのお味噌汁で、すっごくいいお味のだしでした。おいしいって思わずつぶやいたもの。他には「たこめし」なんかもありました。

14時の臨時便で多度津港へ帰ります。その後は多度津港周辺散策。

多度津街中プロジェクト≫ 海と路/一太郎やあい 尾花賢一

古い蔵を利用した作品。

多度津に伝わる『一太郎やあい』という、日露戦争時の軍国美談として当時の国定教科書にも掲載されたお話をベースにした作品。

多度津町の県立公園、桃陵公園には『一太郎やあい』像もあるらしい。検索すると歌なども出てくるし。私は初めて知りました。

多度津街中プロジェクト≫ Nocturne(Tadotsu) 山田悠

こちらも古い蔵で。お屋敷街ですね。月のストップモーションを繋げて映像にしたもの。夜の帷が降り、月が出てきてその動きが電線や屋根などをつたっているような映像がおもしろかったです。だんだん夜が明けていくのも清々しい気分になった。

多度津街中プロジェクト≫ 多度津町-海陸交通の発展・近代化を支えた商人たち 合田邸

そしてここが、合田邸。

多度津の近代産業の発展に尽くした多度津町の七人の豪商「多度津七福神」の一人「合田房太郎」の邸宅。大正~昭和初期に建築され、七福神の中で唯一残る邸宅。

合田房太郎(1861年~1937年)は米穀肥料商を営み、のちに県内初の私立銀行・多度津銀行の取締役、四国電力の前身・四国水力電気社長などを歴任し、四国の近代化に大きく貢献しました。(多度津町観光協会ホームページより)

大広間

ここで、「多度津七福神」の説明パネルなどがありました。あと、奥(床の間?というわりには広すぎるよね?ステージみたい)昔の映像が流れていて、お祭りなどの行事の映像が流れていたのだけれど、どちらかというと市井の人々とかの普段の様子が映っている感じで。これも貴重な資料なんだろうな……。きちんと保存されていて、昔のお金持ちも今の保存活動されている方々も素晴らしい。貴重なものを見れました。

かわいいステンドグラス

街歩きを楽しんだ後は、観音寺へ移動です。夜の部へ。

おまけ

おみやげ1:多度津高校の生徒さん手作り高見島

高見島の会場で、多度津高校の写真部の展示があって、こちらを販売していました。建築科の生徒さんがレーザーカッターで作った高見島。高低差がよくわかる。

おみやげ2:そしてなぜかおまけについてきた唐辛子

おみやげ3:お小皿

高見島に作家さんたちのショップがあって、そこで一目惚れして買いました。お小皿好きなのです。

のせてみた。