旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

イスラエル博物館所蔵 ピカソ/ひらめきの原点 パナソニック汐留美術館 2022.5

版画を中心に、というコピーに惹かれて。

青の時代、バラ色の時代からキュビズムシュルレアリスムまで、幅広い年代の作品群を版画を中心に油彩画や墨画、素描まで、満遍なくピカソの魅力を味わえる展覧会でした。

ピカソの作風の変遷とともに、女性遍歴も重なっていくので、キャプションに女性の名前が出てくるたびに、え〜っと、さっきの作品は誰だったっけ?という感じに出品リストを振り返ったりしてました。うん、まあ、もてるからしょうがないのね…まあ、確かに格好いいし、あの強い力の目に見つめられたら引き込まれちゃいそうな気もしないでもない、なんて思いながらも、ちょっと複雑な気持ちになったりもしました。

版画に関しては、エッチング、ドライポイント、リトグラフ、等々それぞれの技法の説明パネルがあってわかりやすくてよかったです。シュガーリフト、という技法があって、初めて聞きました、砂糖を使う技法。私はエッチングのシンプルな線の作品が好きです。

一番、好きだったのは〈ヴォラール連作〉のキュビズムな『ほおづえをついて座る裸婦』、どことなく勝気な表情が面白かった『頭像に見入る彫刻家とモデル』『試作する若い彫刻家』。

〈347シリーズ〉は86歳の時の版画連作で、『横たわる裸婦と髭のある頭部』は88歳の時のドローイング。晩年の作品もなんか、表現の可能性を追い続けているような自由な豊潤さも感じて、最後まで精力的だったのが伝わりました。天才なんだな、やっぱり。

 

以下は撮影可コーナーにて。

窓辺の女

シルヴェット・ダヴィッドの肖像

首飾りをつけた女