美術系のメルマガで見かけた「板谷梅樹」という名前、ん?板谷?もしかして、と思って展覧会のサイトを見に行ったら、やっぱり板谷波山の息子だった。
「花」のモザイクの可愛さに、いいな〜と思って会期も短いし久しぶりに早めに足を運びました。
泉屋博古館は京都にあって、東京は分館、と思っていたら、改修工事を経て泉屋博古館東京になったのね。
モザイク画の展覧会というのは初めてかもしれない。父である陶芸家板谷波山の砕いた陶片に心惹かれたのがきっかけだそうです。
ただ、波山のほわんとした色彩とは正反対のとても色鮮やかな作品でした。
撮影可だった、この大きな作品
モザイクの見事なグラデーションや組み合わせに圧倒されました。
昭和モダーン、というタイトルと花や鳥の可愛らしさに、そういうの好きかも、って軽い気持ちだったのですが、なんて美しい芸術なんだろう、と目が覚める思いでした、本当に、来てよかった、と感動してしまった。
色構成の緻密さが、見事で。具象は、人物の肌の色の組み合わせとか花の茎の表現とか、ずっと眺めていたくなります。どれも素晴らしかったけれど、やっぱり「花」(2作品ありました)が心に残っています。
飾皿や箱の模様の組み合わせもまさに、モダンで。こんなのを身近に置けた生活が羨ましい。戦時中、生活のために作っていた小さな工芸品、ペンダントや帯留めなどはなんとなく、七宝焼を思わせたり。
出光興産の定年退職記念に贈る飾皿の制作も手がけていたそうで、展示されていました。こんな素敵なものをもらえたらうれしいでしょう、大切にとっておかれたのだろうな。
一昨年、板谷波山生誕150周年展をきっかけに、「板谷姓の梅樹という人のモザイクがある」と問い合わせがあり、この初めての展覧会に結びついたそうだけど、まだ、眠っている作品が現れたらうれしいな、などと思いました。
とにかく、素敵な作品との出会いでした。
9月29日まで。