旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

生誕100年朝倉摂展 練馬区立美術館 2022.7

 

『歓び』 きれいな、ピンク色の豊富さがとても好き

朝倉摂といえば舞台美術家の印象が強かったのですが、日本画家、絵本画家の顔もあったことを知り、表現の仕方を変えていくアーティストがとても好きなので、俄然興味が出ました。

日本画から出発した表現は、キュビズムの追求、そして戦後の炭鉱や漁村の労働者、60年安保闘争など、モチーフが移り変わり、また同時に、顔料とカンヴァスの組み合わせなど、道具や素材にも自分のオリジナリティを常に追求し続けていたことを知れる構成になっていました。

メインビジュアルにもなってる『群像』 キュビズムの初期の作品

 

印象に残ったのは『日本1958』の男性のアングルや『おんな』の表現。

スケッチブックの展示もありました、絵のうまさがよくわかる。初期の頃の作品は女性が多い印象でしたが、スケッチには男性もちらほら見えました。

舞台美術の展示は、舞台模型、舞台写真、エベレーション、といった装置の展示からパンフレットやポスターまで、見応えがありました。私は今ほど演劇を観ていなかった時代のものなので、観たことある舞台はなかったな、残念だな、と思いながらじっくり観ました。特に『蜘蛛女のキス』は素敵だった。

絵本原画は、日本画の時代の作品がもっとかわいらしくなったような、色彩がきれいで引き込まれて観ていました。絵本は好きだったけれど、私はあまり子供の頃に読んだ記憶がないな〜こちらも残念だな、と思いながら。『てんぐのかくれみの』の、かくれみのの表現には思わず息を呑みました。コラージュを使った透明の表現、素晴らしかったです。

もっと早く会いたかったアーティスト。でも今回、いろいろ知ることができて、よかった。