旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

瀬戸内国際芸術祭2019秋 高見島 2019.11

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本島を13:30に出発し14:05に高見島に到着。こちらも徒歩で回る小さい島だし、2時間位で回って16:05発で本島経由で児島へ戻ろうと思っていました。着いたときは。

ただ、ガイドブックには書いてなかったけど、高見島も…急な坂が多く…。予想外に時間、体力を使ったのと、閉幕前の連休でなかなかの混み具合、作品を見るのに並ぶ時間がかかり、並びながら計画を変更する羽目に…ま、がんばって全部の作品を回れたので結果オーライです。

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坂の途中にある古民家を巡る感じ

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「まなうらの景色」村田のぞみ

細かい網のようなものは細いステンレス線。暗闇の中に浮かび上がって幻想的な空間になっていました。テキスタイルを学んだ作家さんだそうです。

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家の縁側に作品の素材と解説が置いてありました。

 

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「Keep a record」大石いずみ

廃屋の中に白い壁の空間を作り、過去の写真にペインティングした作品。廃屋に残っていた古い写真を使用しています。古いものに手を加えた、というより過去と現在の邂逅、という感じ。

 

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「内在するモノたちへ」山田愛

床一面に敷き詰められた石と積み上げられた石。その繊細な作品の保護のためと、三和土から係の人が戸を開けるとこの空間と対面!という演出のため一回に入れる人数が限られています。床に降りることができます。内へ内へと入っていく神秘的な空間。

 

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「除虫菊の家/静かに過ぎてゆく」内田晴之

高見島はかつて除虫菊(蚊取り線香の原料)の栽培で栄えた島。その歴史を踏まえた作品。これは燃焼と煙のインスタレーションです。真ん中にまだ、緑の部分が残っているけど大分灰になっています。家中蚊取り線香の匂いで満たされていました。

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「除虫菊の家/はなのこえ・こころのいろ」小枝繁昭

高見島で見られる花がモチーフです。無彩色の空間が続いた後だからか華やかさがより一層際立ちます。

 

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「うつりかわりの家」中島伽耶

と思ったらまた真っ暗な空間。↑なんのことやらの写真ですが

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これなら少しわかりやすいかも。室内が真っ黒で真っ暗の古民家の屋根と壁に小さな穴がたくさん開いていて外からの光が差し込んでいます。自然光なので刻一刻と印象が変わります。土間から上に上がれるのですが、暗すぎて私帰るとき落っこちたのでお気を付けください。「ぎゃっ!!」と声を上げて転がり落ちたので他のゲストさんに心配されてしまった…。

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古民家、外から見るとこんな感じです。

 

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「家の“メメント・モリ”」ロサナ・リオス

急坂を登って登って(きつかった〜)たどり着く、2階建ての古民家。とても狭く、また2階への急な階段で入れ替わりで見なきゃなのでこちらも入場制限で時間がかかりました。1階は、蓄光インクの人の拓本(だと思う、作家さん自身か)で、空き家になってしまった家に人の痕跡を残している。

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f:id:chiegon:20200422224143j:plain2階は切り紙の作品。テーマは同じでも1階とは対照的な手法をもちいているとのこと。明るさ?存在そのものではなく、生み出すものを象徴している?いろいろ想像が膨らみます。

 

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「過日の同居」藤野裕美子

こちらも自然光の変化とともに見え方が変わる作品。岩絵の具で麻紙に描いた作品を縁側に設置しています。

 

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「海のテラス」野村正人

映像作品の「KIRI」梶井照陰 と同じ敷地にあるテラス。レストランです。残念ながら訪れた時間には営業時間が終わっていましたが、店員さんが気軽に話しかけてくださって少しお話できました。「どこから来ました?」「東京です。」でまた感心され。正面右側に見える山は飯野山で讃岐富士と呼ばれているそうです。確かに。そんなシルエット。お国言葉での作品や景色の解説がうれしかったです。

 

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「時のふる家」中島伽耶

「うつりかわりの家」と同じ作家さんの作品(って後で気付いた、鈍い…)。

真っ暗な古民家にアクリル板がたくさん刺さっていてするどくてちょっと怖くて綺麗だな〜と思って見ていました。外に出てみてびっくり。壁にいっぱいアクリル板が刺さってた!アクリル板を通して光が入ってきているんですね。「うつりかわりの家」とは違って室内が見やすいのでまさか外の光のみとは思わなかったです。

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外から見るとこんな感じ。午後でそんなに日も強くなかったので、日差しが強い時間だったらもっと光が届くのでしょうね。

 

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「Long time no see」PARANOID ANDERSONS

島の1軒の空き家を解体しそこにあったすべてのもので再構築した作品。すごくおもしろかった。

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瀬戸内海を臨む海辺に設置されています。右側のお皿をはじめ、旅館でもやってたのかしら?と思う膨大な食器の数…。あとなんかこの構図、寺山修司の映画っぽいアングル。

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これなんかも。

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海辺の景色も楽しむ、お〜讃岐富士〜。

 

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「積みかさなる白と空白」鎌田祥平・並木文音

港に戻ってきました。

フェリー乗り場にある作品です。島でもっとも往来のある港の前に設置された自然な岩のようなオブジェ。

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中にはいれます。カマクラみたい(入ったときないけど)。中も白いオブジェで構成されていました。懐かしさを感じるモチーフ。

 

無事すべての作品を回って最終のフェリーで帰ります。

時系列でいうと「家の“メメント・モリ”」に並んでいるときに、実は本島行きのフェリーは出てしまってたのでした。途中で、これは2時間じゃ回りきれないぞ?って気付いて最終のフェリーが17:35の多度津行きというのをチェックして急遽予定変更しました。(元の予定通りだったら、高松によってイベント見てうどん食べようと思っていた)まあ、島経由で帰るよりは多度津から電車で帰る方が自然ですね。ちょっとリサーチ不足だったかも。ということで往復で買った乗船券は半分無駄になってしまったのでした、勉強代ね。一日に複数の島を巡るときは気をつけましょう。

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でも、最終のフェリーではこんな美しい夕日が。フェリーに乗っている人みんなで声を上げて感動してました。素晴らしい景色だった〜。

高見島への来島で2013年、2016年も含めてですが、瀬戸芸に参加している島すべて制覇!しました!うれしいなあ。

今後も私の瀬戸芸巡りは続く予定、次はイベントメインにしてみるとか食にこだわってみるとか、いろいろ楽しみ方も変えていこうと思います!