新年早々、終了ギリギリ駆け込みシリーズ。同じジャポニスムという観点からまとめての感想です。
まず、ゴッホ展から。
ゴッホの作品や影響を与えた浮世絵の展示以外にも、写真や映像で、ゴッホの墓やポール・ガシェ家を訪問した資料の展示なども豊富にあり、ゴッホの日本へのあこがれと日本人のゴッホへのあこがれとの交差がうまく展開されていておもしろかったです。
印象に残った作品
フィンセントファン・ゴッホ
「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」
橋を主役に、手前に洗濯している女性などが景色に溶け込んでいる感じが浮世絵の影響を思わせました。
「サント=マリーの海」
「サント=マリーの道」
黄色い空が印象的。
「夾竹桃と本のある静物」
「オレンジ、レモン、青い手袋のある静物」
バックの黄緑や青が南仏っぽい。
「下草とキヅタのある木の幹」
「草むらの中の幹」
「ポプラ林の中の二人」
浮世絵の影響が自分の表現に昇華されているように感じました。
あと、外国向けのお土産の浮世絵crépon(クレポン)というのが ハンカチみたいでかわいかったです。
で、北斎の方は……
まず、展示の仕方が作品とそれに影響を与えたであろう北斎の絵が上下に展示されているのでいちいち見比べるのが大変でつかれました。そもそも見比べてみるものかな?という疑問が浮かんできたり。あと、これは、強引では?っていう解釈のものもあったし。
一番納得できなかったのは、北斎の絵、まんまに絵付けとして使われていた陶器と、確かに影響を受けたであろう芸術家の作品が並行して同じ、ジャポニスムとして扱われていたことかな。
想像だけど、陶器の方は物珍しい東洋の絵を使ってみました!って感覚じゃなかったのかな〜と。 それはそれで当時の感覚としてまあいいのでは、と思うのですが。セザンヌやドガやゴッホの作品とは別な切り口で紹介してほしかったな……。
30年前のジャポニスム展も観たのですが(よく覚えてないけど。探せば図録あるかも) その時の感動はなかったかな……。北斎一人にスポットを当てるのはちょっと無理があったんじゃないかな? と思いました。