美術館がテーマになった展覧会を観るのは久しぶり。
杉戸洋 とんぼ と のりしろ展を観ようと東京都美術館に行ったらこちらもやっていたので。相互割引もあるし〜、あ、英一蝶あるのか〜!観よう観よう!って感じでしたがとてもよかったです。
もちろん写真は不可なので印象に残った作品は…
・古代エジプト美術
「縛られたオリックス形の壺」
白くて丸くて黒いツメ、お口あけててかわいかった…。
・中国美術
これ、すごく好みでした。
陳容の「九龍図巻」が目玉でしたが、個人的には徽宗の「五色鸚鵡図巻」が見応えあって。徽宗の千字文が好きで以前臨書したので、絵に添えられた書にその片鱗が見えて、絵も書もいいなあ〜とずっと眺めてしまった。皇帝としてはダメな人みたいだったそうですが。
・日本美術
人物の顔のバタくささが印象的、墨なのに色彩を感じる華やかさが好きです。
与謝蕪村「柳堤渡水・丘辺行楽図屏風」
中国文化へのあこがれがひしひしと感じられました。人の表情がよくて和みました。
で
英一蝶「涅槃図」
約170年ぶりの本格的な解体修理をして初めての里帰りだそうです。修復の様子のVTRも流れていました。すごく…よかったんですが…登場人物の解説を読みながらにまにましてしまいそうになって困りました。漫画の「聖☆おにいさん」好きなので。いろいろ脳内変換してしまいました…。あの場に私みたいに思っていた人、それなりにいたんじゃないかな〜と思います。
・フランス絵画
壁の色がきれいなブルーで一気に違う世界に来た感じ。ジャンル毎に壁の色が変わっていく展示の演出が効いていました。(次のアメリカ絵画にいくとブルーが濃くなるの。日本はグレーでした)
ミレーの静物画「洋梨」の解説で「ジャガイモはザクロの実に劣っているなどといえるのだろうか?(静物画で描かれるモチーフに優劣があるのか?)」ってあって考えさせられたり。絵は青、黄、緑で色彩に溢れていて素敵でした。静物画もきちんと観るのは久しぶり。昔は好きだったのにな〜、なんで飽きたとか思ったりするのかしら。
ゴッホ「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」
こちらもルーラン夫妻ふたり揃って来日、で人気を博していました。
・アメリカ絵画
あまり詳しくないせいか、かえって興味深かったです。
フィッツ・ヘンリー・レーン、ウィンスロー・ホーマー、ジョージア・オキーフ、チャールズ・シーラーの作品が好きでした。アメリカ絵画ってなんか憂鬱で重厚な感じを受けるのが不思議。
・版画・写真・現代美術
ホッパーがあるんだ〜?!と喜んでたらエッチングでした。観たときなかったのでうれしかったですが。近寄ってみると繊細、遠くからみると重厚、な黒い線でした。
あとは、アンセル・アダムスの写真がよかったです。
各国のイメージに合わせて壁の色が変化していく演出、作家だけでなく、スポンサーにも焦点を当てた展示、なかなかおもしろかったです。