旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル 「バベルの塔」展 国立国際美術館(大阪中之島) 2017.9

春に東京都美術館でやっていたのに、特に興味ないな〜って観に行かなかったら、ボスの初来日の絵があったと知って自分の情報収集不足を嘆いていたのですが、大阪に巡回があると知り調べたらちょうど計画していたシルバーウィークの大阪&京都旅行に日程がかぶっていたので急遽旅程に入れました!ラッキーでした!

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慣れない大阪の街を歩き、美術館に開館15分前に着いたら、すでに入場待ちの行列が…団体さんも多くて「?」って思ってたら会話からするに教会のお仲間っぽかった、そうか、宗教的な、そういう興味の入り方もありますね。

時代を追った、各地方に沿った、ネーデルランド美術をとても詳しく観ることができました。特に、“ホラント地方の美術”のヤーコプ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネンらにみられるルネサンスの影響や、“新たな画題へ”の物語を風景の一部に入れることで宗教絵画を風景画として完成してしまったヨアヒム・パティニールの絵などが印象に残りました。先日観たアルチンボルド肖像画から静物画への流れを思い出し、アーティストの制作や美への追求は時代や国を問わないね、などと思ったり。

そして心のメイン、ボスの「放浪者(行商人)」「聖クリストフォロス」

「快楽の園」以前の、でもその奇妙さの片鱗が見えてよかったです。 他にも、ボスの影響を受けた画家の絵がいっぱい、思いの外ボスに焦点を当てた展覧会になっていました。 絵の解釈も丁寧に説明があるのでとてもわかりやすかった。

そしていよいよ「バベルの塔」こちらも丁寧な説明が…。

ここでまた自分の知識不足なのか覚え違いなのか、バベルの塔のお話が自分の知っていたものと全然違っていてびっくりしました…。いや〜勉強になった。思い込みって怖いなあ、そして、観に来てよかった。興味ないって切り捨てるのはよくないな。

バベルの塔」の展示は“時間がない、遠くからでもいい通路”と“前列でじっくり観たい通路”の2コースになっていて、まず遠くからのほうで観て、解説パネルや東京藝大プロジェクトの高精細複製画と3DCGのVTRを観てから注目したい箇所を決めて、もう一回並び前列からじっくり観ました!何往復かして!

絵も藝大のプロジェクトも素晴らしかった。

あと、「バベルの塔」以外のピーテル・ブリューゲル1世の絵もよくて、群衆がたくさん登場する風俗がよくわかる絵が特に気に入りました。怪物のモチーフはボスの影響がよく出ていました。

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スカイツリーじゃないんだ…。