恵比寿にある東京都写真美術館。昔、ガーデンプレイスができる前、線路際をてくてく歩いて向かう昔の写真美術館の時代から好きでした。あの頃は入場料も数百円だったなあなどと思い出しつつ、あれ?ただ、自分が学生だったからかな?と思ったり。1階の映画館でかかってる映画を観に行くのに、せっかくだから上と地下の美術館も回るか、と行ってきました。
入口に向かう途中、大好きな植田正治の写真が。
3つの展覧会を回りました。
一番印象に残ったのが、「内藤正敏 異界出現」展
初期の「SF写真」化学反応で生まれる現象を接写したもので、(内藤さんは早稲田大学理工学部化学専攻)実際の作品と掲載された、雑誌、小説の表紙などの印刷物が展示されていて、60年代の作品なのでリアルタイムではないのだけど、図書館で見かけていたかも、子供のころに、なんて思いました。ハヤカワSF文庫とか置いてあったものね。ハインラインの『夏への扉』の表紙や安部公房、小松左京の小説の表紙とかにもなってるのか〜。ちょっとおもしろいような気持ち悪いような、観ていると足下がぐらぐらする感じの作品。今ならデジタルでいくらでも作れるけど、アナログだもんな、すごいね、と思うような作品も数々。
その後、即身仏に出会い、民間信仰に傾倒するってのも極端ですごいですね。
「即身仏」「恐山のイタコ」「遠野物語」「出羽三山」「東京」とテーマは違くてもその作品の持つ温度というか重さというか、印象が変わらないなあと思いました。ロウソクの炎のみで露光した作品なんかは、SF写真の過去があっての発想でもあるのかな?などと思ったり。
印象に残った作品
「キメラ」
なぜか、昔の映画、大林監督の『HOUSE』を思い出しました。
「即身仏堂 海向寺」
神々の異界
「羽黒山」
霧の森がまるで海中のよう。海の中にいるような錯覚を覚えます。
「鬼杉 英彦山」
「諏訪大社 上社前宮」
「恐山」一面のブルーがきれい。
民俗学者でもあるので著作も多く、ちょっと面白そう、機会があったら読んでみたい。