旅の目的は主にアートです。

旅は日帰りも含みます。近くの美術館から遠くの美術館まで。観たいものは観たい!気ままな鑑賞日記です。

書だ!石川九楊展 上野の森美術館 2017.7

なんか、書の鑑賞ばかり続いてますが…たまたまです。

この日は同じ上野の国立科学博物館での「深海展」を夕方から観る予定で、では、そのまえにこちらに足を伸ばしてみよう、となったのでした。

石川九楊氏は「一日一書」と「書 - 筆蝕の宇宙を読み解く」を読んでいて、著作以外で作品を観るのは初めてでした。

ご本人の作品解説があったのですが、展示作品の場でだったため、ごった返す人人人で何も見えず聞こえずという感じだったのでゆっくり作品と向かい合うことにして…

源氏物語55帖」

「敗戦古稀」をはじめとした最近の作品

「盃千字文」 などを鑑賞しました。

「盃千字文」での一字一字の表現の仕方に「源氏物語」の謎解きをしているような感覚になりました。 書の表現は無限なのだなあと感動すると共に混乱もするような…いい意味で。また、「母の胎内にいたときを戦時体験」としている石川氏の平和の訴えに「雪に覆われた火山」という言葉をふと思い出しました。書という静かな表現と思われがちな方法でもその底の激しさは伝わります。

あと、気になったのは、順路が全て左回りになっていたのはあえてなのかしら…。ちょっと動線が不自然な感じでした。最後の小品は右回りだったけど。(わかりづらい、回りにくい、とこぼす人を何人か見かけました)上野の森美術館はとても久しぶりだったので他はどんな展示の仕方が多いのかわからないのだけど。順路のサインもきちんとあったし案内の人が声を掛けてくれるので間違えることはなかったけど、なかなか慣れに逆らうような不思議な感覚でした。

ちなみに、夏休みの混雑の中の「深海展」は映像とホルマリン漬けを見て回るというシュールな世界でした。 国立科学博物館の特別展はパネルを読まされる展示、というイメージ…。もっと感覚的な方法があってもいいのではないかしら…難しいのかな…。

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